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6.162014
豚人工授精の受胎率アップとその方法について
目次
豚人工授精についての基礎知識セミナー
養豚業を営む皆さまに向けて、養豚業における人工授精の受胎率アップとその方法についてセミナーでご紹介しました。
資料をPDFにてダウンロード提供いたします。お役立てください。
- 雑菌汚染を減らし受胎率アップにつながる最新の精液採取の方法について
- 精子の生存率を高める方法
- 最新のカテーテル深部注入法による人工授精について
- 交配の最適な時期について
目次
1.人工授精のメリット
日本における人工授精の実態
(1)豚人工授精の利用率(普及率)
(2)飼育規模(母豚頭数)別のAI 利用交配割合( 156 農場)
2.人工授精のメリット
3.(1)従来の AI 手法 (2)最新の精液採取 (3)雑菌汚染
4.精液・精子の性質 (1)精子の特性 (2)造精機能 (3)精子の特性 (4)精子の生存性
5.雌の生殖器官と受精カニズム
(1)生殖器官と交尾
(2)カテーテルの挿入
(3)カテーテルの種類
(4)排卵
(5)受精能力
(6)卵巣周期とホルモン
(7)ホルモン剤の作用部位
(8)交配時に投与するホルモン剤の種類と処理方法
(9)発情期間と交配適期
6.(1)種付け適期に関する考察 (2)種付け適期に関する考察
1.日本における人工授精の実態
人工授精の利用率は 70 %を超えています。
雄ブタ1頭あたりの繁殖母豚は人工授精の普及が進んでいます。
ヨーロッパ地域に比べてまだ低い現状です。
(日本のブタ人工授精の実態 日本養豚学会誌 56 巻 3 号)
豚人工授精の利用率(普及率)
(日本のブタ人工授精の実態 日本養豚学会誌 56 巻 3 号)
飼育規模(母豚頭数)別の AI 利用交配割合( 156 農場)
(日本のブタ人工授精の実態 日本養豚学会誌 56 巻 3 号)
豚人工授精のメリット
- 能力の高い種豚の遺伝子
- 生産コストの削減、労力・危険性の軽減
- 繁殖成績の向上
- 疾病の防御
- 多頭交配
希釈剤、種豚 (能力の競争) 凍結精液・・・育種
直交 ¥4,500 On farm AI ¥560の試算(♀300頭一貫)
活力、奇形、精子数等の検査済み精液を使用(受胎率)
熱暑期に大差(雄豚の造精機能低下)
接触感染症からの防御 (疥癬、子宮内膜炎の激減)
1頭の雄豚から10~20頭に交配(均一性)
体型の異なる♀への交配が可能
2.従来の豚の人工授精AI手法
- 許容確認
- 外陰部清拭
- 背中圧迫
- カテーテル挿入
- 精液注入
- カテーテル取り出し
子宮頚管部で把握
3~5分かけて注入
注入完了1分後
● スパイラル カテーテル
● スポンジ カテーテル
最新の豚の人工授精における精液採取方法
3. 豚の人工授精における精液採取法の違いによる雑菌汚染比較
4.豚人工授精において知っておきたい精液・精子の性質
精液 100~500mℓ (平均 200mℓ)
*精子 200~1000 億個 射精(総精子数平均 500 億個)
*精漿 内分泌や子宮の免疫系調節機構へ作用し子宮機能の調節
*膠様物(馬80mℓ と豚 250mℓ交尾時の膣栓?細菌抑制 AIでは除去(成績は同じ)
豚人工授精のおける 精子の特性
1.造精機能
精子が造られるまで5 週間
34°C以上の高温ストレスがかかると造精機能が低下し、 5 週間後に最も悪影響を呈し、回復まで更に5 週間を要す
(70 日間使用不能)
2.雄豚の生殖道内で酸素がない(嫌気性)⇒呼吸が抑えられている
PHが低い エネルギー保存
エネルギー源がない
豚人工授精のおける精子の特性
豚人工授精のおける精液造精機能
1.精子の運動性
a) 流れに逆らって泳ぐ
b)ものに接触して、集まり頭部を付着させる
c)膣粘液 ⇒ 子宮粘液 ⇒ 卵胞液に向かって泳ぐ
2.精子の保存
温度管理 37~38℃で前進運動開始
15℃で仮死状態(アナビオシス)
☆購買精液の保存温度は使用している希釈材によって
異なるので、精液販売会社の指示に従う
豚人工授精のおける精子の生存性
精子の生存性
1)温度(低温ショック)
採取後保存温度まで下げるのに時間をかける
2)PHと浸透圧 通常はPH6.5~7.0 浸透圧 300mOsm/ℓ
低張液で生存性、運動性が低下、奇形が増える
3)光線・紫外線 : 有害—着色ビンを使用
4)ガス
a)酸素 O2 : 活発な運動—生存性を弱める
ボトルを密閉する・振らない
b)二酸化炭素 CO2 : 精子の代謝、運動を抑える
雑菌を抑える
豚人工授精のおける雌の生殖器官と受精のメカニズム
生殖器官と交尾
カテーテルの挿入
1.スパイラル 80~100ml 25 ~ 35億
子宮頸管部 把握
2.スポンジ 80~100ml 25 ~ 35億
子宮頸管部 把握
3.コビ・ユニック 30~40ml 12億
子宮体到達(深部注入)
牝豚の排卵
発情周期 : 19~23日(平均21日)
排卵
1)時期 : 許容開始後 31±5.5時間(25~36時間)
2)数 : 左右合計 15~20個(2時間)
3)大きさ 卵の大きさ:8~12㎜
豚の受精能力
精子の活動
射精(精液注入) ⇒ 卵管(上部・膨大部)到達(0.3~5h)
⇒ 受精能力獲得(3~5h) ⇒ 排卵待機(受精能力保持時間 :24~48h)
⇒ 受精
卵子の活動
排卵(許容開始後25~36h) ⇒ 受精(2h)⇒着床(妊娠)(受精後14~15日)
➡ 黄体形成(黄体ホルモンが胎児を保護、発育を促進)
卵巣周期とホルモン
ホルモン剤の作用部位
交配時に投与するホルモン剤の種類と処理方法
発情期間と交配適期
5.種付適期に関する考察
セミナー資料「豚人工授精を成功させる」PDFセミナー資料ダウンロード
弊社取り扱いの豚用人工授精機器や資材については、こちらでご案内しています。
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